Chaos金太郎

移住10年目。新潟県柏崎の山間の集落を存続させるため活動中。

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孫ターンの果たす役割

   

最近、注目される孫ターンですが、孫ターン実践11年目の金太郎が考える「孫ターン」考=「孫ターンが果たすべき役割」を申し上げましょう。私は、孫ターンした人間は、単に個人的な生き方としてだけでなく、地域での存在意義もあると考えます。

それは、生まれながらに「世間をする」だと思います。世間をするとは

旅をして世間を見ることが、村を客観的に見る力を育て、村の良さも悪さも同時に理解する。そのために周防大島ではこれを「世間をする」といって、若いうちから男も女も島の外へ出て世間の風に吹かれる必要性を認めてきた。数々の出稼ぎもその延長上にあったと理解できる。
そうして、村における態度と外の世界に向き合ったときの態度の二つを同時にあわせもつことが村に生きるうえでの村人の素養とされた。
(中略)
この例は、村(島)にあっても、決してそこに自足して、また自閉して外の世界と没交渉のままに村(島)人は生きてきたのではなく、外の広い世界を世間と称しながらそこへ積極的に足を踏み出す生き方をしてきたという事実を再認識させる。村は旧弊な小さな世界だと見る向きがあるとすれば、それは一種先入見で見ていることになる。

『日本の民俗 6 村の暮らし』吉川弘文館

を言います。

オルタナティブな村人だからこそできること
民俗学に触れる日々を送っています。村と世間いま読んでいるのは『日本の民俗 6 村の暮らし』吉川弘文館。この中に面白い箇所があったので、ご紹介します。村社会で生き...

私は、自分が小清水集落の人間だと思っています。前世はここの住人だったんだと思います。現に、母も祖父も小清水の住人でした。

けど何かのタイミングだか、神様の采配だかで、生まれ落ちたのは東京でした。小清水の人間でありながら、東京で生まれて育ったんです。向こうの街で父母に育てられ、学校に通っては友達と遊び、大学まで暮らしました。

そして、元の土地である小清水に戻ってきました。孫ターンしたんです。

パソコンでいうなら、ハードやOSは小清水。アプリや写真・音楽データは東京。って感じでしょうか。

二つの世界に触れたからこその、役割があると思います。移住前のキャリアをしっかり活かして、集落が存続していくことに役立てたいですね!

 

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