帰り道の幸せ
とある平日のこと。その日は、肥料を田んぼに撒いていました。梅雨明けした新潟県、朝からうだるような暑さ中、20キロ近い肥料の入った散布機を背負い、あぜ道をひたすら歩く。当然、汗だく。
夕方になり、ようやく涼しくなってきて、定時となる。作業を終えて車に乗り込み家路につく。

帰り道の車中、周りは田んぼだらけ。夕日は山の向こうに隠れ、空がオレンジ色に鈍く光っている。
ふとラジオをつけると、Bob marleyの「no woman no cry」が流れてくる。
レゲエならではのリズムに心地よく脱力。温かみのあるギターの音色、懐かしさを感じるオルガン、力強く優しい歌声。
思わず、エアコンを消して窓を開ける。稲の緑の香りを嗅ぎながら、夕日が隠れたオレンジの空を眺める。
一日の疲れで重くなっていた身体が、ふっと軽くなる。
「幸せ」は、何気ないタイミングで、偶然が重なり、誰かがプレゼントのようにくれるものだね。
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音楽