Chaos金太郎

移住10年目。新潟県柏崎の山間の集落を存続させるため活動中。

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新品種「新之助」は味だけでなく販売・宣伝にもこだわる

   

柏崎・刈羽地域農業者大会で、新品種の「新之助」を試食してきました。

独特の香り、甘み

口に入れた瞬間に感じる香りは、今まで嗅いだことのない独特な香りです。感じる甘味もまた、独特。こしいぶきがアッサリした甘味なのに対して、新之助の甘味はコクがありました。

粒もしっかりしていて、大きめです。

「非コシヒカリ系の米でトップブランドの地位を確保」というコンセプト通り、今まで食べたことのない美味しさになっていますね。

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選抜方法に「輝き」

新品種の米を開発するにあたり、数ある株の中から優れたものを選抜していくのですが、新之助の場合、選抜の方法として「輝き」を基準にしたと言います。

というのも米の食味は炊飯時の米の輝きと約7割相関することが、現在までの研究でわかってきたからだそうです。

確かに、新米はピッカピカしてて見た目だけでヨダレもんですもんね!

開発のスピードアップのため、通常水稲は1年に1回しか作れませんが、温室や石垣島で栽培をすることで、1年間に3回も栽培して品質の安定化を図ったと言います。

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販売・宣伝方法が戦略的

昨年9月、「新之助」という名前がプレスリリースとなりました。その時は泉田知事がNGT48を引き連れ、銀座で記者会見をするというトップセールス。名前が「新之助」という、男の名前なのも話題になりました。

また有力米穀店への限定お試し米の提供や、高級料理屋での先行取り扱いなど、トップブランドのイメージ着けをしようとしています。ミラノ万博にも出てたそうです。担当者曰く「外堀を埋めた。外から名声が聞こえてくれば内側でも評価が高まる」。

一般販売が始まるのも、平成29年からです。メディア話題にはなるものの、どこでも食べられるわけではなく、決まった場所でのみ。なかなか味わえないとなれば、期待が高まりますよね。

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生産には要件が

品質を保ち高まる期待に応えるべく、新之助を生産できるのは栽培技術の高い農業者に限られます。

まず、新潟県の農業者であること。栽培管理の能力があること(基盤整備跡地や大豆栽培跡地はダメ)、JGAPへの取組…などなど。

たんぱく質含有量、清流歩合などの、食味・品質基準も設けられています。

ブランドとして品質を高め続けたいのでしょうね!

売る努力もする

販売方法や宣伝の仕方を見ると、今の時代の売り方をしているな、と感じました。一般販売までに話題を集め期待感を高めるなど、販売・宣伝に関して戦略的なのです。

良いものを作る努力は大前提なのですが、売る努力も必要です。良いものを作るだけでよかった時代は、終わりました。良いものを作っても、売れなければ生き残れません。

新之助には新しい時代の新品種として、「生き残る意思」があると思います。

 

 

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