Chaos金太郎

移住10年目。新潟県柏崎の山間の集落を存続させるため活動中。

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移住してきた山間の集落で、カフェをやる理由

      2015/12/09

私がカフェをやるのには3つの理由があります。

集まる場所、機会をつくるため

集落の入り口には以前、住民御用達のラーメン屋がありましたが、数年前に閉店してしまいました。集落の人は、ご飯を食べに行く場所がない、集まる機会が減った、と言います。また、中越沖地震の影響で地蔵堂も取り壊されてしまい、こちらもまた冬の間の集落の住民が集まる場所でした。集落の人は「一度、集まる場所や機会が失くなると、自分たちで新しく作ることはできない」と言います。今まで集落内で単発的にイベントを開催してきましたが、用意した食べ物もとても好評で、常設的にこういう場所や時間を作れたらもっと喜んでもらえるな、と感じました。そのため、私たちは集落の人が気軽に集まれて、お茶飲みや食事ができ、ここに来れば誰かと会える、そんな場所を作りたい。
DSC_05992008年にやったイベント

ひとを寄せるための入口

友達が集落に遊びに来ると、みんな口々に「良いところだねー!」や「パワースポットみたい!」、「田舎に来たみたいでホッとする」などと言ってくれます。訪れた人、誰もが集落の良さを感じます。もっとたくさんの人に集落の良さを知ってもらいたい。ただ、初めて来る方を私の家にお招きするわけには行きませんし、どうせ集落に来てくださったのなら、ゆっくり滞在して集落の良さを感じてもらいたい。集落にひとを呼び込む入り口として、また滞在するための空間としてカフェを作りたい。
476887_452802484813170_466410967_o近所のおばあちゃんと山菜採り。山菜も景色も最高のご馳走。

楽しみづくり

集落を100年後も存続するには、加速度的に進む過疎高齢化の対策をしなければいけません。そのために移住者を増やしたいと考えています。移住者が増えている地域って、何かしら楽しそうな雰囲気があると思うんです。何か始まりそう、ワクワクする、自分が主役になれる、などなど、活気があって魅力的な場所にこそ、人は集まる。特別な特産品を作らなければいけない、空き家を整備しなければいけない、などは多分二の次でいいはず。住んでいる人たちが何やらワイワイ楽しそうに集まっている。移住を検討している人が「自分も輪に加わりたい、自分もこんなことあんなことがしてみたい」と思わせるかどうかだと思うんです。だから、まず住んでいる私たちが楽しくしていることが重要。そのために、自分たちが主体的になって楽しめる場所、空間を作りたいのです。
DSC_0167みんなでワイワイとピザ窯を作りました。

 

こう書くと、かなり真面目で集会場のような場所ができてしまいそうですが、この3つはあくまで理念にあたるものです。カフェのコンセプトや売りはまた別です。

気仙沼ニッティングSONG OF THE EARTHを見てもわかりますが、「震災復興」「地域振興」っていうテーマで人を集めるのは限界があります。普遍的な魅力を以って人に訴求していかないと、続かない。続かないっってことは集落を100年後も、残せないってことになるので、私たちはキチンと市場でも受け入れられるカフェを作ります。自分たちも楽しみたいですしね。

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